身をもって感じた「移住者」のたちば。

島の人の目を意識して行動をするようになって数ヶ月。わが家の場合は宿業をやっているので、普段から「この前のお客さんが〇〇って言ってたよ」といったことはよく言われていました。その内容は「楽しいって言ってたよ」などのお褒めの言葉のときもあれば、「〇〇って『言われて』たよ」といったマイナスなお言葉のときもあり。マイナーな離島なので毎日満室とはならないため、そのお客さまがどなたなのかは大体検討はつきます。

確かに、お客さまと交流するなかで「〇〇をこうしたらもっと良くなると思う!」など直接お客さまから意見をいただくことはあるので、都度その意見を参考に改善できるところはしていたのですが、予約サイトのクチコミに高評価をいただき、楽しんで滞在してくれていたように受け取っていたお客さまのときに「言われてたよ」というマイナーなニュアンスで言われることが度々あり。。。

そのうち、いつどこでうちのお客さまとお話したのですか?というような、観光業に従事していない島民からもそんな風に言われることが増え、それでももし本当にそんな風に言われていたのなら、それは改善しなければという思いで、あー言われたと聞けばここを改善し、こー言われたと聞けばあそこを改善しと、その言葉を受け止めて試行錯誤をしていました。ときには、同じ1つのことに対して、ある島民からは「それが良いって言ってたよ」と言われたと思ったら別な島民からは「そこがちょっと…って言ってたよ」と言われたり。どうするのが正解なの!?と迷走することも。。。

その結果、わたしは人生で初めて帯状疱疹を患いました。

島の診療所には専門医がいるわけではないので当然受診しても良くならず、島を出た対岸の本島にある病院を受診し1ヶ月ほど経つころにようやく治ったのです。

そんなある日。また「言われていたよ」といった言われ方をしたことがあり。けどそのときのお客さまは急遽、宿泊日数を追加してくださったほどありがたいことにうちのお宿での時間を楽しんでくれていたので、絶対おかしいと思い、日頃から相談事などを話しやすかった島の方に話してみたのです。そしたら、その方はたまたまその場に居合わせていたようで、「『コレコレこうで、それが良い!』ってお客さんは喜んでいたよ!」と言うのです。こちらを気遣ってそんな言葉をかけてくれたわけではないというのは話していて伝わるので、このことをきっかけに私の中で張り詰めていたなにかがプッツリと切れました。

それまではマイナスな情報を言い広められたくなくて、「言われてたよ」と言われたことはすぐに改善するように努めていましたが、大体そういう言い方をしてくる人って毎回同じ人なんですよね。そして、観光業に従事していない島民がそういうことを言ってくるときって、その「毎回同じ人」と仲良くしている人だったり。

移住者だからなのか、それとも若い夫婦がやっているからそんなふうに言ってくるのかはわかりませんが、その出来事があってからは「自分がお客さまと一緒に過ごして見たお客さまの姿、共有した時間」を信じることにしました。

地方移住者特有の「見られる」環境にわたしは田舎育ちで耐性があると思っていましたが、自分の身体に影響が出たことで、慣れていいものではないけれど、慣れの先にある「いちいち気にしない」という強い気持ちを持たなければこの先暮らしていけないなと身をもって経験した移住1年目でした。

落ち込んだときは羊に癒してもらいます

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