うちのお宿は「離島でゲストハウスをやりたい」という夢をもって関西から移住したダンナがひとりで開業しました。そして次なる夢が「夫婦で宿をやりたい」というものでした。恋人もいない状況で200人ほどもいない島民のほとんどが高齢者という島によく乗り込んだなっ!と矛盾した行動に勇者とさえ思えますが、実はここに島のお仕事事情が関わってくるのです。
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(平日・夕方~、休日・いち日中)
というのも、焼尻島は北国のマイナーな離島。冬期を含む1年のうちの半分以上は船の本数も1日1本しか運航せず、その船さえも悪天候で欠航になる日が続くことも多いため、観光業はゴールデンウィークからシルバーウィーク頃までしかできません。そのため、島好きな旅人でも全国あちこちの離島を行き尽くしたあとに訪れるであろう、玄人好みな島なので宿が忙しいのも限られた時期であり、わたしは他にも仕事をするつもりで嫁ぎました。
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(早朝~出勤時間まで)
どうせ兼業になるなら1年通してある仕事がいいなと思っていたのですが、私が嫁いだ時点では女性が通年働ける仕事は1つしかなかったのです。幸い、ここ数年ずっと欠員状態だったそうでスムーズに仕事が決まりましたが、観光や漁業が島の主な産業のため女性が通年働ける仕事が極端に少なく、そのわずかな仕事も島でずっと暮らしている方が長年働いているため空きがないのが現状です。
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↑職場横の空き地の花畑
観光や漁業が忙しい夏季は人手が足りないくらい求人も増えるため、仕事を2つ3つ掛け持ちで働く人は多いです。ですが、なんせ繁忙期が落ち着いたらあとはピタッと静かになるため、島出身の女性が島で働きたいと考えても1年通して島で暮らすのが難しく、進学で島外の学校に行ってしまったら戻りたくても戻れない。その結果、若い女性がどんどん減っていったのだと思います。ダンナが移住した当時は20代~30代の女性が片手分にも満たず、独身女性はさらに少なかったそうな。
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(年に3度あるうちの数回)
数十年後、自分が年老いたときに島はどうなっているのかなとふと思うことがあります。
好きで移住した島なので、人が住めない島にはなってほしくないですね。
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