島暮らしが始まるその前に。結婚に至るまでのおはなしです。
独身時代、歯科衛生士として大学病院で働いていたワタシ。
大学病院の歯科ですので、歯科衛生士の人数よりも歯科医師の人数の方が多く
自身が公務員でゴリゴリの安定志向の母親は、出来れば娘には職場結婚を
してほしかったようで…。薄っすらそんなプレッシャーを感じていたワタシも
なんとなくいつも付き合う相手は同業者を自然に選んでいました。
そんな「実績」があったがために、ダンナとの結婚のお許しを得るために
実家に連れて行ったときは、それはもう、ドラマでしかみたことのないような
修羅場でした。。。
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歯科衛生士の中にも専門的な知識を極めるための資格があるのですが、
ワタシはその中の障害者歯科学会に所属をし、プロポーズを受けたのと
時を同じくして、障害者歯科学会認定歯科衛生士の試験に合格をしました。
当時、全国でもまだ360人ほどしかおらず、北海道では4人目、札幌市内では
職場の上司に次ぐ2人目の資格保有者となったワタシは、受験を決意した当初は
自分のスキルアップに繋がればと思っており、母親もそれを応援してくれていま
した。受験をするには決められた件数の症例報告が必要であり、
その分野に従事してからの経験年数も数年単位で必要であったために
ワタシは受験をするまでに3年の時間を費やしました。
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当初は自分のスキルのためにと挑んだ試験も、そのころには歯科衛生士として
9年間働いた集大成へと私の中での位置づけが変わり、自分としては結果を残せた
ことに挑戦した意義は見出せたのですが、それを許さなかったのが母親です。。
ワタシがお手洗いなどで席を外している隙に、ダンナに対して
「安定した医療職を辞めさせたくない」
「専門学校とはいえ国家資格なのに…」
「個人事業主は不安しかない」
「せっかく大学病院で働けたのだから、同業者と結婚して欲しかった」
「島に暮らすなんて…あぁぁ…」
それはそれは、結婚を反対する理由がスラスラ次から次へと出てきたそうな。
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戻ったワタシはダンナの表情を見て一瞬でなにかが起こったことは察しました。
母親に問い詰めても「お母さんは何も言ってない」
ダンナに聞いても「……いや。。。」
父親に確認しても「お母さんに聞きなさい?」
そんなたらいまわしが何周も続いた結果、シビレを切らしたワタシはついに
母親に暴言を吐きまくることに。我ながらとても公にはできないワードを
連呼したなと思いますが、とりあえず「クソババア」と「死ね」は
何度叫んだか数え切れません。。。
普段は冷たい兄が、泣きながら怒鳴り散らす妹を見かねて母親を説得し、
「本人たちが納得しないのに親が反対してもねぇ」という
ドライな考えの父親のおかげで、数日間に渡る母娘バトルは収束したのです。。
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そんな母親も、結婚した年のうちに「どんな環境か見ておかないと」という
理由付けで(本当は単純に島に行ってみたかったハズ。)2日間かけて
焼尻島まで来てくれて、1週間ほど滞在し、あんなに反対していた島暮らしに
初日からどっぷりハマって楽しんでいました。
今となっては「老後お母さんも島に暮らそうかな♪」と言い出すほどで。
アンチ個人事業主のはずのダンナのことも、人柄の良い優しい人だと
娘のワタシではなくダンナの携帯電話に直接電話をしてしまうほどで。
ワタシがダンナと喧嘩をしても、ダンナさんの味方をするほどで。
そんなドラマの中の世界のような、信じられない修羅場を経ての
結婚となるのでした。
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